TOKYOブラジル散歩

「ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」のオスジェメオス アーティスト・トークに行ってきました。

 

 

先週、10月22日から江東区にあるMOTではじまった「ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」展。


開催期間中、展示だけでなくさまざまなイヴェントが予定されています。
26日(日)には、参加アーティストでもあるオスジェメオスのアーティスト・トークが開催されました。


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ジェミオ(ジェミウ、ジェメオ、ジェメウ)とはポルトガル語で双子のこと。
オスジェメオス(オス・ジェミオス)は、グスターヴォとオターヴィオの、双子のパンドルフォ兄弟によるグラフィック・アーティスト・チーム。
 

オスジェメオスが描く、棒きれのように細い手足を持った黄色い顔のキャラクターたちがサンパウロの街の壁に出没しはじめたのは80年代の後半ごろ。
サンパウロのストリートでグラフィティを描きはじめた2人は、ニューヨークなど外の世界におけるグラフィティの常識に囚われることなく独自に彼らの表現を進化させていきました。


「人々の生活に触れて、音に耳を傾けて...。私たちはいつも作品を描くところ、その場所の影響を吸収して、自分たちのフィルターを通過させて作品に反映させています。しかし、作品の土台には、そういった影響とは別に、私たちが常に持っている、変わらない根本的なものがあります」


オスジェメオスの作品は、彼らの日常--サンパウロの日常--からインスピレーションを受けながら、その場その場で即興で生み出されていったものだったからこそ、彼らならではの独創的なグラフィティが生み出されていったのだそうです。

 

「自由に絵を描くことができたサンパウロのストリートは、僕らにとって、学校のような場所だったと言えるね」


「言い換えれば僕らの表現は、伝統的なグラフィティのスタイルからの逸脱だったと言えるかもしれない」

 

90年代後半からはアトリエの中での活動を開始。
美術館やギャラリー、公共のプロジェクトなどのためにも作品をつくり、グラフィックだけでなく立体的なオブジェも作り始め、活動の場も世界中へと広がっていきました。


「活動の幅が広がっていくのと同時に、使う素材もペンキやスプレー缶だけでなく、光、音楽、鉄や木材などいろいろな素材や方法を模索して、常に新しいことをやろうとしてきました」

 

ブラジル北東部の小さな町の壁に描かれた作品から、
オランダで行われたフェスティヴァルに参加したときの様子、
スコットランドで古いお城に住んでいる人からの依頼でお城の壁面に描いた作品まで、スライドでこれまで手がけた作品が紹介されました。


マラカトゥ・フラウ(北東部に伝わる伝統音楽のひとつ)の故郷としても知られるペルナンブッコ州のナザレー・ダ・マッタの民家の壁に描かれた作品もありました。
現代アートに関する情報の入ってこないような場所でも、あえて活動しているそうです。

 

サンパウロにある路上生活者が暮らしている橋の下の壁に描かれた作品や
都市の監視カメラ設置に対する彼らの考えを反映させた作品など、政治的なメッセージを含んだものもありました。

 

 

そんなオスジェメオスの2人は、今回の「ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」展のために来日、2週間かけて日本で制作した作品が会場内で展示されています。


作品に使う素材やスプレー、ペンキなどのも日本に来てから日本で見つけたものを使っているそうです。

もちろん、即興で描かれたこの作品には、日本で彼らが得たさまざまなものがインスピレイションの元になっているのでしょう。

 

「日本は情報、影響を受けるものがそこいら中に溢れています。とてもインスピレイションを沸かせるところです。
それに、生活の中にとてもユニークなデザインが溢れていますね。地下鉄のホームにあるスタンプラリーのスタンプとかね(笑)」


ちなみに、作品の中にウルトラマンが描かれていますが、これは、子供の頃にサンパウロのテレビでウルトラマンをやっていて、それを見ていたことが影響しているそうです。


「もちろん日本のイメージをウルトラマンだけで語ってしまうことは出来ないけれど、日本のイメージのひとつであることは確かです」


「僕らが育った街(カンブシー区)は日系人が数多く暮らしているリベルダーヂ地区に近かったから、小さい頃からウルトラマンをはじめいろいろな日系の文化に触れて育ったんです」

 

 

オスジェメオスの作品をはじめ、ブラジルのモダンアートが一堂に会した「ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」、来年1月12日まで開催中です。


実際に音を聴いたり、飲み物を身体に取り込んだり、衣装を纏ったりするアートもあります。
何度も足を運びたくなる展示会なので、早めに行くことをお薦めします。


B級ホラー・マニアはイヴァン・カルドーゾという名前を聴いただけで駆けつけるべし。

 

「ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」
http://www.neo-tro.com/
http://www.mot-art-museum.jp/

東京都現代美術館
〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1
Tel 03-5245-4111(代表)
ハローダイヤル:03-5777-8600

麻生雅人(あそう まさと)

ブラジルに心を奪われたモノ書き。雑文から音楽評論まで。雑誌は「R25」などに執筆。書籍編集、番組構成、CD監修なども。「ブラジル大作戦」(MUSIC AIR)、「Radio Brisa Brasileira」(STARdigio)が放送中。書籍では「サンバ」、「ブラジリアン・ミュージック」(共にシンコー・ミュージック)など。個人blogでもほぼ毎日ブラジル関連情報紹介中(http://brisabrasileira.pokebras.jp/)。写真はアサイーの故郷トメアスーのCAMTAにて。


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