TOKYOブラジル散歩

BOSSA2008を振り返って...。

4日間に渡って青山~外苑前近辺で開催された「BOSSA2008」。


外苑西通り入り口の交差点にある街角スペースで、さりげなくサックス奏者の方がボサノヴァを演奏していたり。
246沿いのAVEX本社前でライヴが行われたり。
仰々しい感じでイヴェントイヴェントしたイヴェントではなく、自然に街をあるいているだけで、街中に普通に音楽がある雰囲気がとてもいいカンジでした。

CI.jpg
写真はCIプラザ
 

ライヴの方は全部は見ることができなかったのですが、ナオミ&ゴローさん、グスターヴォさん、コトリンゴさん、山本のりこさん&マツモニカさんなど、みなさんの歌声が、普通に街で触れられた感じがとても良かったです。

 

今回のイヴェントでいいなと思ったのがまさにそこで、普通に生活の中に音楽が溢れている、という感じ。
欲を言えば、1年365日こうだったらいいのですが(笑)。


このイヴェントは、「ボサノヴァのイヴェント」ではありますが、それ以前に、青山界隈の「街のイヴェント」である、というコンセプトがブレなかったところが良かったと思います。
地元のみなさん、商店街の方々、企業、学校、教会、そしてこの街にあるブラジル大使館などが一丸となって作り上げている感じも伝わってきました。

 

各企業が快くこのようなイヴェントに協力されている姿も、いいなと思いました。


ほんの一例ですが、思ったことを記しておきます。


まずは、フリー・ライヴやトーク・イヴェントに、オラクルさんが会場として素敵なスカイ・ロビーを貸してくださったこと。

 

ブラジルでは国中で、企業がスポンサーになったフリー・ライヴがしょっちゅう行われています。


同時に、さまざまな街で、地元の企業が、文化を提供しています。
銀行などの企業が文化事業部というのを持っていて、自社の建物の中にちょっとした展覧会やライヴができる小劇場をつくり、定期的にフリーでライヴなどをやっています。
サンパウロのような大都市から、北東部の内陸にある小さな街まで、いたるところで行われています。


こういうライヴや展示では、商業的ではないけれど、素敵な表現をしている音楽家の方々がギャラをもらって出演しているため、アーティストの活動を支えると同時に、普通の人々の暮らし、生活の中に、豊かな文化を育んでいきます。
もちろん人々は、文化を発信する地元の企業の存在を身近に感じますし、好感を抱きますよね。


そんな状況があまり日本にはないので、ブラジルの姿をいつも羨ましく思っていましたが、今回のイヴェントで、日本でもできるんだなあと思いました。


夜、CIプラザに映し出されていたイグアスの滝の映像や、オラクル・ビルに投影されたヘデントール(キリスト像)も、普通に街中にブラジルがある感じ、が素敵でした。

 

 

もうひとつ。

 

イヴェントでは結構、赤ちゃん連れのカップルもお見かけしましたが、僕の友人カップルのお話。

 

赤ちゃんは何度もおむつを替えなければならないので、彼らはその場所に困っていたそうですが、ライヴ会場のひとつでもあったレクサスさんが、こころよく何度もトイレの施設を貸して下さったそうです。

 

ブラジルでは、全然知らない人の赤ちゃんでも、赤ちゃんを街で見かけると「オー、ボニチーニョ~」とか言って目を細めて声をかけている姿をよく目にします。男でも女でも、です。ブラジルでは人々が皆、人の赤ちゃん、子供を大事に思っているように見えます。

 

おそらく、この子はブラジルの子だ、ブラジルの未来を切り拓く子だ、という意識が人々の中にあるのではないかと思います。

 

日本は少子化が問題になていますが、赤ちゃんや子供に対する普段の人々の考え方も、問題解決には重要なのではないかと思います。


ボサノヴァというブラジルの文化をテーマにした今回のイヴェントを通じて、そんなブラジルの素敵な面を、日本も普段から見習えたらいいなと、ふと思えたことも、いい経験でした。

 

 

さて、個人的にはトーク・イヴェントで司会という大役を務めさせていただいたのですが、来てくださったみなさま、すべての関係者のみなさま、BOSSA TVの島田奈央子さん、出演者の中原仁さん、菊地成孔さん、ムッシュかまやつさん、本当にありがとございました。

 

ああ、ここでなんでこの言葉が出なかったんだ、とか、そこは言葉の選び間違いだ、とか、思い返せば至らぬことばかりで。本当にみなさまに助けられました。

 

中原仁さん。お話をふれば打ち出の小槌のように話題がザクザクでてきて、打ち合わせとは全然違う話になってしまいましたが、とても実のある、あたかもシナリオがあったかのような(笑)お話にまとめられて...さすがです。

 

菊地成孔さん。相変わらずの、どこまでが音楽理論でどこまでが妄想なのかわからないエンタテインメント。しかも視点は鋭く。聴き手を巻き込むエネルギーも凄まじく。僕も巻き込まれ、横で納得したり、笑って聴いているだけでした。

 

ムッシュかまやつさん。「美学」に関するお話は、きちんと自身の美学を持ってそれを貫いて生きていらっしゃる方だからこそ、美しく語れる...と改めて思いました。

 

本当にすべてのみなさま、ありがとうございました。

麻生雅人(あそう まさと)

ブラジルに心を奪われたモノ書き。雑文から音楽評論まで。雑誌は「R25」などに執筆。書籍編集、番組構成、CD監修なども。「ブラジル大作戦」(MUSIC AIR)、「Radio Brisa Brasileira」(STARdigio)が放送中。書籍では「サンバ」、「ブラジリアン・ミュージック」(共にシンコー・ミュージック)など。個人blogでもほぼ毎日ブラジル関連情報紹介中(http://brisabrasileira.pokebras.jp/)。写真はアサイーの故郷トメアスーのCAMTAにて。


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