伊藤ゴローのボサノヴァの時間

joao gilberto 『三月の水』
僕はこのレコードでボサノヴァを練習しました。

Joao-Gilberto.jpgヘッドフォンで音の隅々まで聴きました。
ギターのハーモニーやリズム、ブレスのタイミングなど何度も繰り返し聴いて自分のものにしようとしました。
後に『声とギター』というアルバムも出ましたが、よりスリリングな演奏はやはりこの『三月の水』でしょう。ジョアンと一対一の親密な関係を持つことができる唯一のアルバムだと思います。

このアルバムのジョアンのギターのビートは、それ以前のアルバムでは聴くことのできないミニマリズムが徹底されています。ギターのバチーダは4つ、5つのパターンに固定され、その独特のスイングはジョアンのボサノヴァの完成型でしょう。
何曲かはギターのチューニングを下げて演奏していて、このギターの音色もアルバムの独特なムードを作り出しています。(インスト曲では足でビートをとっている音がかすかに聴き取れます。)

ジョアンのコンサートを体験した方ならわかると思いますが、この一対一の親密な関係が、こころが通じ合うと言うか、特別な感情がわきあがる理由でしょうか。

伊藤ゴロー

日本では数少ないジョアン・ジルベルト・スタイルのボサノヴァギターの達人。作曲、編曲家、ギタリスト、プロデューサーでもあり、07年末にリリースされた、原田知世さんの25周年記念アルバム「music & me」もプロデュース作品。 ソロユニットMOOSE HILLとしても活動していますが、今年は5月28日に、布施尚美とのボ サノヴァ・デュオnaomi & goroでニューアル バム「Bossa Nova Songbook 1」をリリース。ピアノで坂本龍一さんも参加!


戻る過去の記事一覧へ